地酒扱いの当初は、問屋から地酒のパンフレットを見ながら品揃えをしていたが、どうも販売に結びつかない。そこで、前回にも登場した「蕎麦屋(誇宇耶)ので飲ませて頂いた静岡県藤枝市にある蔵元を訪ねてみました。
私のイメージでは工場見学の感覚で行ったのですが、あまりにも小さくこれが酒蔵と感じた。(後々知るのだがが全国の多くの蔵が家族的に酒を造っている。)
とてもアットホームで、酒造りの大切さ、品質管理の重要性、そしてお客様との顔の見える取引、など蔵人は真心を込めて酒を造っていることが私に伝わってきた。
そして、酒屋である私は、その人達の造りの姿勢を理解しながら消費者に提供することが仕事である。まして、最も重要な事は酒質をいかに落とさずに消費者の口に入れてもらえるかです。いくら素晴らしいお酒を造っても管理が悪ければ酒質は落ちます。
この日もう1件の同じ藤枝にある蔵元を訪ねた。この酒は、私自身本当に惚れ込んだ酒で、香り味わいとも申し分ない。蔵を見学し、社長、奥さん、専務(現在の杜氏)と次々対応して頂いた。
家族全員と杜氏や蔵人すべての方が一丸となって酒を造っている。小さい蔵だからこそできる丁寧な酒造り。
専務が言っていました「高い酒は美味しくて当たり前です。私達は日本一美味しい普通酒(一般的に佳撰クラスで1升 1600円くらい)を造る!」と言っていた。
しかし、驚く事を知ったのです。当時、取引を待って頂いている酒販店が約200件ほどあるというのです。そして、生産量は増産の予定はないし、取引酒販店の件数は全国で100件ほどとの事。帰りの道で「待っていても何年先に、いや無理かもしれないな」と思った。
が、私はあきらめることができなかった。とにかく、定期的に当店の地酒販売の状況や稲取の観光情報など手紙の書き送り、地酒の展示会や試飲会などがあれば出向いた。もちろん年に1回は蔵元を訪れ世間話や地酒の現状などの話をした。
そんなかいもあったのか、最初に訪れて2年間を過ぎた頃、先方様から「取引を」との声を頂いた。うれしい!近年無い喜びと、仕事意欲が湧きました。
商品は、やたらと増やすのではなく、私が自信を持ってお客様にお奨めできる地酒をこの地にアピールし、また観光客に喜んで頂きたいと思っている。
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